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●体型、生活様式に合わせ、自分流に着るきもの
女性の生き方が様々になるにつれ、きものを着るシ−ンや目的も一定ではなくなりました。仕事で着る、プライベ−トで着る、ドレスアップのために着る・・・それぞれの状況に合せて着こなすわけですが、どんな場合でも一番問題になるのが、楽に着られて動きやすいこと。苦しいのを我慢して着ているのでは、にこやかに微笑むこともできません。
きものを仕立てる際、「標準寸法」というものが使われますが、いまだに大正・昭和・戦前の成人女性の体型から割り出した寸法が通用していることに、私は疑問を感じています。総丈と肩幅、袖幅だけは現状に合わせて直されているようですが、部分的な直しだけではバランスが取れませんから、「着る時はきものに体を合わせてください」というおかしな言い訳が生まれるのです。また、最近では自分ではきものを着ない和裁師さん、着つけ師さんもいて、きもので動いた時の実感がないままに仕立て、着つけてしまう例もあるのです。
こんなきものはあちこち補正が必要で、心地よく着ることはできません。毎日着ていても苦しくなく、体が楽に動けるように着る事は大切な事なことです。仕立てと着方は表裏一体、仕立てが正しければ腰紐一本で着られますが、寸法の合わないきものは紐の数が増えます。きものを着た時に「紐がきつくて苦しい」という方がいらっしゃいますが、自分に合った、正しい寸法のきものであれば苦しくはありませんし、紐も締め方のコツさえ覚えれば、きつく締め上げる必要はありません。
きものは完成されたものだから、勝手にアレンジするものではない、という意見もあるようですが、現在のきものの原型ができた500年前と比べ、生活様式が全く変わっているのですから、きものも変化して当たり前です。きものはオーダーメイドなのですから、もっと積極的に意見を言いましょう。私は、自分用は勿論のこと、生徒さんにも、体に付かず離れず着らて、見られても見苦しくない、体に合うきものを作るよう、アドバイスしています。サイズだけでなく、色や柄、生地質、仕立て方まで考えて、着る人に合わせたきものこそ「良いきもの」といえるのではないでしょうか。
●体型、生活様式に合わせ、自分流に着るきもの
現代は女性の体型もさまざまで、きものの在り方もひと通りではありません。例えば、以前、いかり肩が目立たなくなるきものを作ったことがありますし、丈の足りないきものを対丈にして、付けおはしょりをして着るように考案したものもあります。誰もが自然体で着られるように研究して、どんな人にも美しく、楽に着てほしいと思っています。
私のクリニックに来てくださる方の中に、代議士の奥様がいらっしゃいます。この方はご主人の名代として様々なレセプションやパ−ティに出席されたり、お仲人も多くなさいますが、そのお辞儀をする回数たるや、一般人の比ではありません。帯や帯板が固いとお辞儀しにくいので、私の考案した楽に動ける帯や帯板、帯枕を使っていらしゃいます。また一日のうちに午前、午後、夕方と、TPOに合わせて何度も着替えるので、着るのが簡単で着くずれが無く、本格的な着姿で出かけられるアイディアきものをご紹介したところ、とても喜ばれました。
またヴァイオリニストの千住真理子さんはステ−ジ衣装として、私がアレンジした振袖を着ていらっしゃいますが、これは腕を高く上げても二の腕がむき出しにならないように、またその心得がなくても変わり結びに見えるよう、結ぶことができる帯とともに考案したものです。
アレンジしたものでない、従来通りのきものを着たいという方はそれでよいのです。色々な事情で従来のきものでは都合の悪い方もいらっしゃるでしょう。そんな方のために簡単に、楽に着られるきものや帯などをご紹介したいと思います。
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●たや粋きもの
自分できものが着られる人でも、おはしょりの処理は難しいものです。提灯のようにふくらんでしまったり、裏地が見えてしまったりしてうまくいきませんし、帯を締めると布が何重も重なって窮屈です。私が考案した「たや粋(すい)きもの」は、着丈におはしょり分を取っていないので引きずらない、対丈のきものを着て、おはしょり用の布を帯の下に挟み込むもの。こうするとおはしょりがゴロゴロせず、着やすくなりますし、コ−トとしても活用できます。【特許登録済】 |
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| photo/永田忠彦 photo 提供/『美しいキモノ』(アシェット婦人画報社刊) |
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●たや粋帯
結びやすくするために帯をふたつに切って、ひとつは長いまま胴帯に、もうひとつはお太鼓の形に縫って後ろにからげる付け帯を、よく目にします。たや粋帯は切った後、縫わずに平たい帯状にのままにしてあるので、胴帯は半幅帯としても使え、帯結びはお太鼓だけでなく、体型に合わせて角出しなどお太鼓系の変わり結びが可能です。加えて着崩れの修正も簡単にできるアイディア帯です。【特許登録済】 |
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| photo/永田忠彦 photo 提供/『美しいキモノ』(アシェット婦人画報社刊) |
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